| 『新・モナドロジー』 小林道憲 著 |
| 『新・モナドロジー』（〈生命の哲学〉コレクション５所収）は、これまでに展開してきた私の哲学的著作から、その精髄を抽出してきたもので、ライプニッツの『モナドロジー』に倣って作ったものである。ライプニッツの『モナドロジー』は一〇〇余りの項目でできているが、私の『新・モナドロジー』は二〇〇近くあり、もう少し少なくした方がよかったかもしれない。 『新・モナドロジー』に採用した私の哲学的著作は、『生命と宇宙』『複雑系社会の倫理学』『歴史哲学への招待』『芸術学事始め』『宗教とは何か』『続・宗教とは何か』『複雑系の哲学』『続・複雑系の哲学』である。その中から、私の思想の根幹になるものを、「存在について」、「宇宙について」、「生命について」、「精神について」、「認識について」、「歴史について」、「倫理について」、「芸術について」、「宗教について」の九節に分けて取り出している。 この作品は、自然哲学や実践哲学、歴史哲学や芸術哲学や宗教哲学、存在論や認識論で、私が語ってきた生命論的世界観の概要を知る上では便利だと思う。具体例や引用などを一切省いて、私自身の言葉のみを残しているので、抽象的ではあるが、簡潔、要領を得ている。私は、自分自身で事柄そのものを追究してきた。そういう意味で、具体例や引用などなしに事柄そのものの本質に迫ったこの小篇で、私の哲学思想は尽くされていると言える。 |